こんにちは。「靴と出会うブログ」運営者の靴好きです。
スニーカー好きなら誰もが憧れる「エア ジョーダン 1 ブレッド」。その名前を聞くだけでワクワクしますよね。でも、なぜ「Banned(禁止)」と呼ばれるようになったのか、その伝説の裏にどんな真実があるのか、気になりませんか?
最近では2025年モデルが登場しましたが、歴代モデルとの違いや、一部でささやかれる定価割れ(!)の理由、さらにはPatent(エナメル)やSatin(サテン)といった派生モデル、MidやLowとの関係性など、知りたいことがたくさんあると思います。
また、人気モデルだけに偽物の見分け方も気になるところ。この記事では、ブレッドの魅力から、シカゴやブラックトゥとの違い、そして最新モデルの動向まで、スニーカー好きの視点で深掘りしていきます。
まずは、AJ1ブレッドがなぜこれほどまでに「伝説」と呼ばれるようになったのか、その核心である「Banned」の物語から見ていきましょう。この話抜きにブレッドは語れませんね。
AJ1ブレッドが「Banned(禁止された)」と呼ばれる最大の理由は、1980年代のNBAの厳格なルールにあります。
当時のNBAには、シューズの大部分が白でなければならないという「51%ルール」と呼ばれる規定がありました。マイケル・ジョーダン(MJ)がルーキー時代に履いたこの黒と赤のシューズは、その規定に真っ向から違反していたわけです。
NBAから着用を禁じられ、罰金が科せられると、ナイキはそれを逆手に取りました。「NBAはジョーダンにこのシューズを履くことを禁じた。幸運なことに、NBAは君たちがこのシューズを履くことを止めることはできない」という有名なCMを放映したんです。
この反骨精神あふれるプロモーションが大当たりし、AJ1ブレッドは「反逆の象徴」として爆発的な人気を獲得しました。ナイキのマーケティング戦略の勝利ですね。
ただ、この「Banned」の物語には、ナイキの巧みなストーリーテリングによって隠された「真実」があります。
歴史をよくよく調べると、MJが1984年に着用してNBAから警告を受けた黒赤のシューズは、実は「エア ジョーダン 1」ではなかったんです。
じゃあ何だったのかというと、AJ1の前身モデルにあたる「ナイキ エアシップ(Nike Air Ship)」という別のバスケットボールシューズでした。
豆知識:Banned Day
MJが問題のシューズを着用したとされる10月18日は、スニーカーファンの間で「Banned Day(禁止の日)」という架空の記念日として知られるようになりました。
ナイキは、この「エアシップ」での逸話を、1985年に鳴り物入りでデビューさせる本命の「エア ジョーダン 1」のプロモーションに、意図的に流用したんですね。私たちが知る「Banned伝説」は、史実(エアシップ)とマーケティング(AJ1)が結びついた「神話」であり、ナイキの戦略そのものだったわけです。
ブレッドは1985年のオリジナル(OG)登場以来、何度も復刻(レトロ)されていますが、特に歴史的な転換点となったのが2011年モデルです。
この2011年版「Banned」モデルは、ヒールに伝説を象徴する「X」マークが刻印された初めてのモデルでした。しかし、その販売方法が異例だったんです。
なんと、正規店ではなくナイキのファクトリーストア(アウトレット)のみでゲリラ的に販売されました。理由(表向きはインソールの製造年月日ミスなど)はさておき、この「アウトレット限定」という販売方法が、逆にその希少性を高めました。
高品質なレザーの質感に加え、カニエ・ウェスト(現Ye)などの著名人が着用したことで人気が爆発。2022年時点での二次流通価格は、約40万円から60万円にも達すると言われ、まさに神格化された一足となっています。
「2011年版は手が出ないけど、ブレッドが欲しい」というファンに応えるように、2016年にも「Bred / Banned」としてOG仕様で復刻されました。
この2016年版と、2011年版やオリジナル(1985年版)との大きな違いは「使われているレザーの素材感」です。
2016年版のタンブルレザーは、柔らかく高級感がある一方で、オリジナル当時の雰囲気を忠実に再現しているのはスムースレザーだと言えます。どちらが良いかは好みによりますが、この素材の違いは知っておきたいポイントですね。
ブレッドのカラーブロックは、様々な素材でも展開されています。その代表格が2021年に登場した「Patent Bred(パテント ブレッド)」です。
その名の通り、アッパー全体を光沢のあるパテントレザー(エナメル)で構築しています。オリジナルのマットな質感とは対照的で、非常にドレッシーで高級感のある印象を受けますね。
これは”Reimagined(リイマジンド)”シリーズの先駆けとも言えるモデルで、伝統的なカラーリングに新しい解釈を加えるという、最近のナイキのトレンドを象徴する一足かなと思います。
伝説となったブレッドですが、2025年にも注目のモデルが登場しました。最新モデルの動向と、知っておきたい派生モデルについて解説します。
2025年はAJ1誕生40周年のアニバーサリーイヤー。その目玉として、2025年2月14日に「Air Jordan 1 High ’85 “Bred”」がリリースされました。
最大の特徴は、シルエットに「’85カット」を採用している点です。これは、1985年のオリジナルのシャープな形状やディテールを、過去のどの復刻モデルよりも忠実に再現した木型(ラスト)を使っていることを意味します。
まさに「究極のコレクターズアイテム」として設計されており、定価も$250(当時のレートで約4万円)と高額。しかも、全世界でわずか10,000足のみの生産とされ、世界23店舗の限定リテーラーのみで販売されました。もちろん即完売でしたね。
「10,000足限定」と聞けば、とんでもないプレミア価格を想像しますよね。実際、発売直後のリセール(二次流通)市場では、最高で$1,411(約22万円)に達するなど、とんでもない高騰を見せました。
しかし、その後、市場は奇妙な動きを見せます。StockXなどの二次流通市場で、最安値提示が$164など、定価の$250を大きく下回る「定価割れ」の状態が発生したんです。
定価割れの背景(推測)
「数ヶ月待てば、また手に入るチャンスがある(かもしれない)」という情報が、2月リリースの「10,000足限定」という希少価値を(少なくとも心理的に)暴落させたわけです。ナイキ自身の戦略によって、リセール市場が大きく揺らぶられた稀有な事例と言えそうです。
パテント(エナメル)だけでなく、2023年にはアッパーに高級感のあるサテン生地を使用した「Satin Bred(サテン ブレッド)」も登場しています。
こちらはウィメンズ限定でのリリースでしたが、その上品な光沢感はまた違った魅力があります。レザーとは異なる素材使いで、ブレッドの新たな一面を引き出していますね。
エア ジョーダン 1には、オリジナルと同じカットの「High(ハイ)」の他に、履き口を低くした「Low(ロー)」、その中間の高さの「Mid(ミッド)」が存在します。
歴史的・文化的な価値や、熱心なコレクターからの人気は、圧倒的に「High」、特にOG仕様(シュータンにジャンプマンではなくNike Airロゴが入るもの)に集中しています。
ただし、「Mid」や「Low」でもブレッドのカラーウェイは数多く展開されています。これらは「High」よりも比較的安価で入手しやすいため、日常で気軽にAJ1の魅力を楽しみたいという層に人気があります。どれを選ぶかは、完全にスタイルと好み次第ですね。
AJ1のOGカラーといえば、「ブレッド」の人気を二分するのが「シカゴ(Chicago)」、そして「ブラックトゥ(Black Toe / つま黒)」です。
興味深いことに、この3色は紙の上ではすべて同じ「Black(黒)/ Varsity Red(赤)/ White(白)」の3色で構成されています。
これらのモデルの違いは、その色の配置(カラーブロッキング)が異なるだけなんです。同じ色使いでも、配置が変わるだけで全く異なる印象を与える。AJ1のデザインの奥深さを感じます。
ブレッドのような超人気モデルには、残念ながら常に精巧な偽物(フェイク)が付きまといます。プロの鑑定士でないと見極めは困難ですが、購入時に注意すべき基礎知識をいくつか紹介します。
偽物を避けるために
個人売買やフリマアプリでの購入は、偽物のリスクが常に伴います。
偽物を避ける最も現実的な手段は、StockXやGoat、eBay(真贋鑑定サービス)といった、専門家による鑑定が介在する二次流通マーケットプレイスを利用することです。手数料はかかりますが、安心料と考えるのが良いかもしれません。
※ただし、これらのプラットフォームも100%を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任においてお願いします。
2025年モデルが一時的に定価割れのような状況になったとしても、「エア ジョーダン 1 ブレッド」というモデルが持つ歴史的な価値や魅力が揺らぐことは一切ない、と私は思います。
「Banned」という伝説的な物語、マイケル・ジョーダンの反逆の象徴、そして2011年版や2016年版といった歴代モデルが積み重ねてきた歴史。そのすべてが、この黒と赤のカラーリングに詰まっています。
これからも「エア ジョーダン 1 ブレッド」は、スニーカー史の頂点に君臨し続ける、特別な一足であることに変わりはないですね。